『The Last of Us Part I』レビュー|崩壊後の世界で描く、人間らしさの傑作サバイバルアクション

基本情報

『The Last of Us Part I』は、2013年にPlayStation 3で発売された名作サバイバルアクション『The Last of Us』を、PlayStation 5向けにフルリメイクした作品です。 開発はNaughty Dog、販売はSony Interactive Entertainmentが担当しています。

正式タイトルThe Last of Us Part I
開発・販売元開発:Naughty Dog / 販売:Sony Interactive Entertainment
発売日PS5版:2022年9月2日 / PC版(Steam・Epic Games Store):2023年3月29日
対応プラットフォームPlayStation 5、PC(Steam、Epic Games Store)
ジャンルアクション(サバイバルアクション)
CEROZ(18才以上のみ対象)
価格(税込)PS5版スタンダードエディション:8,690円 / デジタルデラックスエディション:9,790円 / PC版(Steam):7,590円

PC / Steam評価・配信状況

Steam版『The Last of Us Part I』は、発売当初は最適化やバグに関する指摘が多く、評価がやや低めの時期もありましたが、その後パッチが重ねられ、現在は「賛否両論」から「非常に好評」へと改善しています。レビュー数は数万件に達しており、グラフの形としては「発売直後に大きく下がり、その後パッチで徐々に回復」という右肩上がりのカーブを描いています。

物語と世界観:崩壊後のアメリカで、少女と大人がつむぐ“人間らしさ”の物語

舞台は、寄生菌「コーディセプス」が世界中に広がり、文明が崩壊したアメリカ。 感染者は凶暴化し、街は軍の管理下に置かれ、人々は略奪や裏切りを繰り返しながら生き延びています。

そんな荒廃した世界で、主人公のジョエルは、感染しても発症しない特別な少女エリーを、反乱軍「ファイアフライ」のもとへ運ぶ任務を引き受けます。 一見すると「護衛ミッション」に見えるこの旅が、やがて二人の心の距離を縮め、それぞれの過去や罪と向き合う“人間ドラマ”へと変わっていくのが、この物語の大きな軸です。

ストーリーのトーンは、暗く重い雰囲気が中心ですが、ところどころにユーモアやほのぼのとしたやり取りが散りばめられていて、絶望だけではないバランスの良さがあります。 エリーの生意気な口調や、ジョエルの無愛想なツッコミが絶妙で、プレイしながら自然と二人に感情移入してしまいます。

サブキャラクターも印象的で、ジョエルの相棒テスや、サバイバー仲間のビル、兄弟のトミーなど、短い時間でしっかりと個性が描かれています。 また、追加エピソード「Left Behind -残されたもの-」では、エリーと親友ライリーのエピソードが描かれ、本編では見えなかったエリーの内面が掘り下げられます。 こうしたサブストーリーが、本編のテーマである「守りたいもの」「失ったもの」をより深く感じさせてくれます。

物語全体としては、アクション映画のような派手さよりも、登場人物の心情や関係性の変化を丁寧に描く“人間ドラマ寄り”の印象です。 好きな人は、「キャラクターに感情移入できる」「セリフや演出が細かい」「ラストの余韻が長く残る」といった点を高く評価する傾向があります。

ゲームシステムの特徴とプレイフィール

カメラ視点はTPS(三人称視点)で、肩越しにジョエルを操作する形です。基本操作は、移動・しゃがみ・アイテム拾い・武器切り替えなど、TPSとしては標準的なものですが、戦闘時の「隠れる」「忍び寄る」「投擲物を使う」といったアクションが自然に組み合わさるのが特徴です。

武器は、拳銃やショットガン、弓矢といった銃器と、パイプやレンチなどの近接武器、さらに自作の爆弾や火炎瓶など、多様な選択肢があります。弾薬は常に不足気味で、いかに少ない弾で効率よく戦うかが重要です。探索で集めた材料を使って治療キットや武器の強化を行うクラフトシステムがあり、戦闘前の準備が勝敗を大きく左右します。敵は足音や物音に反応して集まってくるため、無計画に突っ込むとすぐに包囲されてしまいます。そのため、「見つかる前にどう隠れるか」「見つかったらどう逃げるか」を常に考えながら進む必要があり、緊張感のある状況が続きます。

全体の構造は、一本道のストーリー進行が基本で、途中に探索要素や隠しアイテム、読み物資料などが配置されています。 進み方は比較的シンプルで、「物語を追いながら戦闘と探索を繰り返す」という形ですが、演出やカットシーンが多く、まるで映画を見ているような感覚で進められます。

ゲームの難易度

難易度は、初回プレイ時は以下の5段階から選択できます。

  • ベリーイージー
  • イージー
  • ノーマル
  • ハード
  • サバイバー
標準的な「ノーマル」であれば、TPSやアクションゲームに慣れている人なら「ちょうどいい」と感じるバランスです。弾薬やアイテムは少なめですが、探索をしっかり行えば十分に戦える設計になっています。

一方、「ハード」以上にすると、敵の攻撃力や数が増え、アイテムもかなり少なくなるため、ステルスと戦略が必須になります。逆に「イージー」以下は弾薬が豊富で敵も弱めなので、ストーリーを楽しみたい人にはおすすめです。

hiromin
難易度「ノーマル」でも、ミスればあっという間にやられるよ。

良かった点・気になった点

👍 良かった点
  • 映画のような演出とストーリー:
    カットシーンのクオリティが高く、キャラクターの表情や声色まで丁寧に描かれています。ジョエルとエリーの関係性の変化が自然で、プレイしながらどんどん物語に引き込まれていきます。
  • 緊張感のあるサバイバル戦闘:
    弾薬が少なく、常に「どう戦うか」「どう逃げるか」を考えながら進む必要があります。ステルスと正面戦闘のバランスがよく、無双感ではなく「生き延びる」感覚が強いのが魅力です。
  • クラフトと探索のバランス:
    探索で集めた材料で武器やアイテムを作るクラフトシステムが、戦闘の戦略性を高めています。道中には読み物資料や隠しアイテムもあり、世界観を深く知りたい人にも楽しめる作りです。
  • PS5リメイクならではのグラフィックと演出:
    PS5版では、キャラクターの質感や背景のディテールが大幅に向上し、光や影の表現もリアルになっています。初めてプレイする人も、昔プレイした人も、新鮮な気持ちで世界に入り込めます。
⚠️ 気になった点
  • 一本道で自由度が低め:
    ストーリー重視のため、基本的に一本道で進みます。オープンワールドのような自由度はなく、探索できる範囲も限られているので、「自由に冒険したい」という人には物足りなく感じるかもしれません。
  • 戦闘の操作性がやや重め:
    カメラの動きやターンの速さが、現代のTPSと比べると少し重く感じられる場面があります。特に近接戦闘や素早いターンが必要な場面では、操作性に不満を感じる人もいるでしょう。
  • リプレイ性は普通程度:
    ストーリーは一本道で、クリア後の追加要素は難易度変更やコレクション集めが中心です。マルチエンディングや分岐ルートはありません。
  • PC版は最適化に注意:
    Steam版は発売当初、動作や最適化に関する指摘が多く、一部環境ではパッチが必要な場合がありました。現在は改善されていますが、PCで遊ぶ場合はスペックをチェックすることをおすすめします。
hiromin
私の前のPCはi7-9700kにRadeon RX5600XTというそこまで大したことないスペックだったけど、画質設定「中」付近の設定で60FPSでカクつかずに動いたよ。

価格とボリューム

定価はPS5版が8,690円、PC版が7,590円と、フルプライスのリメイク作品としてはやや高めの設定です。SteamやEpic Games Store、PlayStation Storeのセールを狙えば、より買いやすい価格帯になることがあります。

プレイ時間は、ストーリーを一通り進めるだけで約15〜20時間、探索やコレクションをしっかりやると25時間前後が目安です。追加エピソード「Left Behind」も含まれており、ボリュームとしては十分と言えます。価格に対する満足度は、初めてプレイする人や物語重視のゲームが好きな人には高く、すでに旧版をクリアした人には少し高く感じられる場合もあります。

こんな人におすすめ

  • 映画のようなストーリーが好きな人
  • TPSやサバイバルアクションが好きな人
  • PS5でグラフィックの良い作品を遊びたい人
hiromin
ストーリーの良さはもちろん、ステルスアクションとしても緊張感があって楽しめる完成度。それにしてもジョエルつよ。
総合評価
86 / 100

『The Last of Us Part I』は、ストーリーとキャラクター描写の完成度が非常に高く、TPSとしての戦闘も緊張感と戦略性があって楽しい作品です。操作性がやや重めな点や、一本道で自由度が低い点はありますが、それ以上に「物語に引き込まれる体験」が強く印象に残ります。初めてプレイする人には特におすすめで、TPSやサバイバルゲームが好きな人なら十分に楽しめる一本です。

投稿者プロフィール

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hiromin
RPG、アクションからノベルゲームまで、気になるものは何でも手を出す雑食ゲーマー。エルデンリング、仁王など死にゲー大好きです。でも得意ではないです。なので、何度も心折れそうになりながらコツコツ進めてます。いつかは華麗なプレイができるようになりたいなぁ。