Thymesiaレビュー|疫病を武器に記憶を辿る、ハイテンポソウルライクのダークファンタジー

基本情報

『Thymesia(ティメジア)』は、台湾のOverBorder Studioが開発し、Team17が販売する高難易度アクションRPGです。 疫病が蔓延した王国を舞台に、記憶を失った主人公「コルヴス」が自らの過去と世界の真実を探る、ソウルライクなダークファンタジー作品として発表されました。 『Dark Souls』や『Bloodborne』のような「ソウルライク」の魅力を、よりハイテンポで攻撃的な戦闘に落とし込んだ点が特徴的です。 公式情報では「疫病の災いを力に変え、失われた記憶を辿る」というコンセプトが繰り返し強調されており、疫病を“武器”として扱う独自のシステムが売りになっています。

正式タイトルThymesia(ティメジア)
開発・販売元開発:OverBorder Studio / 販売:Team17
発売日ダウンロード版:2022年8月18日 / 日本語パッケージ版(PS5):2022年9月1日
対応プラットフォームNintendo Switch(クラウド版)、PlayStation 5、Xbox Series X|S、PC(Steam)
ジャンル高難易度アクションRPG/ソウルライクARPG
CEROD(17歳以上対象)
価格(税込)Steam版:2,499円、PS5:3,520円、Switch版:3,499円

PC / Steam評価・配信状況

『Thymesia』のSteam評価は、全体として「非常に好評」で安定しています。SteamDBではレビュー評価は83%が好評で、発売から時間がたっても大きく崩れていないことが分かります。

発売直後にソウルライクとしての完成度や、テンポの速い戦闘、疫病を使う独自システムが好意的に受け止められました 。その一方で、ボリュームはやや短め、難度はかなり高めという声もあり、万人向けというより“刺さる人には刺さる”タイプです 。

Steam上では強い初動評価を保ちながら、今も高評価圏を維持している作品です 。派手な拡散型ではないものの、コアなアクション好きからは継続して支持されています 。

物語と世界観:疫病に侵された王国と、失われた記憶の旅

『Thymesia』の舞台は、「ヘルメス王国」と呼ばれる、かつては繁栄していたが今は疫病に蝕まれたダークファンタジーの世界です。 人類の死を運ぶ疫病が蔓延し、世界中に死と「化者(けしゃ)」と呼ばれる怪物があふれかえってしまった時代が描かれています。 唯一、ヘルメス王国だけが錬金術によって疫病に対抗する治療薬を作り出していたものの、その試みが失敗し、王国の兵士たちは恐ろしい怪物へと変異してしまった、という設定です。

主人公は「コルヴス」と呼ばれる、不気味な仮面をかぶり、記憶を失った謎の人物です。 プレイヤーはコルヴスとして、荒廃した王国の各地を巡り、散らばった記憶の断片を集めながら、物語の“真実”に近づいていきます。 物語のトーンは、暗く重いダークファンタジー寄りで、希望よりも絶望や謎が前面に出ている印象です。 疫病が蔓延し、人々が怪物化していく様子が随所に描かれ、『Bloodborne』のような「疫病と狂気」のテーマを強く感じます。 一方で、主人公自身の記憶が物語の鍵になっているため、プレイヤーは「自分が何者なのか」「何をしてしまったのか」を少しずつ明らかにしていく、ミステリー要素もある作品です。

特徴的なのは、「疫術(えきじゅつ)」と呼ばれる、疫病から生じた凶悪な力を、コルヴスが奪い取り、自分の力として使うという設定です。 化者たちが使う強力な技を奪い、それを自分自身の武器としてカスタマイズしていくことで、戦闘スタイルがどんどん変化していきます。 サブキャラクターやサブクエストについては、各地で出会うNPCたちから、王国の過去や疫病の真相に関する断片的な情報が得られる構成になっています。 暗い世界観や疫病の設定が好きな人、記憶を手がかりに真相を解き明かしていく展開に惹かれる人は、物語も楽しめると思います。

ゲームシステムの特徴とプレイフィール

『Thymesia』は、三人称視点の3DアクションRPGで、カメラは主人公の背後から追従する一般的なソウルライクの視点です。 基本操作は、軽攻撃・重攻撃・回避・防御(パリィ)が軸で、これに「疫術」と呼ばれる特殊スキルが組み合わさります。

全体の流れは、「拠点でミッション選択→エリア探索→ボス撃破→新エリア解放」というループで進みます。(仁王のような感じ) 拠点ではスキル強化や疫術のカスタマイズができます。サブミッションにしか出ない(その割に作りこまれた)ボスもいるので、ミッションは全部やるのがおススメです。

開発陣のコメントにもあるように、戦闘のテンポはかなり速く、敵の攻撃も容赦ないため、油断するとすぐにやられてしまいます。 攻撃のモーションが軽快で、連続攻撃や回避からの反撃が決まると気持ちいいです。 操作性やパリィのタイミングに関しては、アクションゲームなので当然ですが、やはりこのゲームならではの癖があり、Steamレビューでも、「攻撃は気持ちいいけど、防御やパリィの判定がシビア」「ソウルライク慣れしてないと最初はきつい」といった声が見られました。

個人的には、通常攻撃で体幹を削って、爪攻撃で決めるという一連の流れが分かってから、アクションにテンポ感が生まれ、このゲームならではの駆け引きも感じられ、一気に楽しくなりました。

hiromin
チュートリアルを見落としていたのか?わからないけど、最初は緑と白のゲージの意味がわからなかったのよね。仕組みがわかるとめちゃ面白いよ。

ゲームの難易度

公式情報にも「高難易度アクションRPG」と明記されており、実際にプレイしてみても、敵の攻撃力やパターンの複雑さから「高めの難易度」だと感じました。 ソウルライク作品に慣れている中級者〜上級者向けで、アクションゲーム初心者にはかなり厳しい印象です。 一方で、一度パターンを覚えてしまえば、適切な疫術と装備の組み合わせで攻略できるようになります。

Steamレビューでは「難しすぎるわけではないが、油断はできない」「ソウルライクの中では標準的〜やや優しめ」といった意見も見られます。 個人的には、最初のボスが一番手ごわく、中盤以降は難易度が低下し、「ソウルライクとしては比較的易しい」バランスに落ち着く印象でした。

良かった点・気になった点

👍 良かった点
  • ハイテンポで爽快な戦闘:
    攻撃モーションが軽快で、剣での攻撃と爪でのフィニッシュが、いいリズム感を作っています。疫術を奪って自分のものにしていくスキルも結構種類が多いです。
  • 敵の体力バーが「白+緑」で分かれている:
    敵には「総体力(白)」と「傷の量(緑)」という2つの体力バーがあり、緑の傷が癒える前に爪で追い打ちをかけることで効率的にダメージを与えられます。これは単なるHP削りではなく、「傷を維持して一気に仕留める」という戦略を生み出し、戦闘にいい緊張感を与えています。
  • 短時間で楽しめるソウルライクとしての手軽さ:
    ソウルライク作品としては比較的ボリュームがコンパクトで、メインストーリーだけなら6~8時間程度。忙しい人でも「週末にひと通り遊び切れる」手軽さがあり、気軽に挑戦しやすいです。
  • ソウルライクとしての完成度の高さ:
    拠点での強化・エリア探索・ボス戦という王道の構成がしっかりしており、ソウルライクの“おいしいところ”をきちんと押さえています。インディーズのソウルライク作品の中では、アクションの手触り感もかなりいいと思います。
⚠️ 気になった点
  • 難易度カーブ調整:
    序盤こそボスも手ごわく、なかなか歯ごたえのある難易度ですが、中盤過ぎからは、サクサク進められる反面、やや緊張感の欠ける難易度に感じられた点が残念でした。
  • ボリュームが控えめ:
    サブミッションまですべてクリアしても、10時間ちょっとです。ゲーム自体が楽しめたからこそではあるのですが、クリア後にもっとやりたいなぁと感じるボリューム感でした。
  • エリアのバリエーションが限定的:
    ダークファンタジーらしい雰囲気はあるものの、エリアのテイストが似通っている印象で、探索の新鮮さがやや薄いと感じる場面がありました。
  • リプレイ性は標準的:
    疫術の組み合わせやビルド変更で遊び方は変えられますが、マルチエンドなものの大幅な分岐があるわけではないので、「リプレイ性は並」といった印象です。やり込み要素は多少ありますが、何周も遊び倒す作品というよりは、1〜2周で満足するタイプだと感じました。

価格とボリューム

定価はSteam版が2,499円(税込)。メインストーリーは8時間程度で、サブクエストも含めると10~15時間前後程度です。

ゲームのボリュームは控えめですが、完成度は高く、セール時には1,000円程度になるため、コンパクトで質のいいゲームを探している人にはオススメできる作品です。

こんな人におすすめ

  • ソウルライク作品が好きで、ハイテンポな戦闘を求めている人
  • ダークファンタジーや疫病・記憶をテーマにした物語が好きな人
  • アクションゲーム中級者以上で、比較的短時間でクリアできる作品を探している人
hiromin
ボリュームの少なさと武器が剣しかないのは残念だったけど、全体的にとてもよくできたアクションゲームだったよ^^私は好きです。
総合評価
82 / 100

『Thymesia』は、疫病を武器に記憶を辿る、ハイテンポなソウルライクとして、しっかりとしたクオリティを備えています。戦闘の爽快感と独自の「疫術」システムが魅力的で、ダークで重厚な世界観もよくできています。一方で、全体のボリューム感やリプレイ性の面でやや物足りなさを感じる部分もありますが、そこは価格とのバランスをどう感じられるか次第でしょう。総合的に見て、ソウルライク好きやダークファンタジー好きにはおすすめできる一本です。

投稿者プロフィール

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hiromin
RPG、アクションからノベルゲームまで、気になるものは何でも手を出す雑食ゲーマー。エルデンリング、仁王など死にゲー大好きです。でも得意ではないのです。いつかは華麗なプレイができるようになりたいなぁ。