基本情報
『明末:ウツロノハネ』(WUCHANG: Fallen Feathers)は、中国の明代末期を舞台にしたアクションRPGです。
明代末期の古蜀を舞台に、謎の疫病「羽化病」が蔓延するダークファンタジー世界と、ソウルライクな戦闘システムが特徴です。
開発チームは中国・四川を拠点としており、プロデューサーの夏思源氏へのインタビューでは、「明末期の人物・物語・伝説に魅了され、それらからインスピレーションを受けた」こと、さらに「現代の四川特有の人文地理と組み合わせることで独特の世界観を生み出した」という経緯が語られています。
また、開発当初はUnreal Engine 4で制作されていましたが、途中でUnreal Engine 5へ変更し、画質だけでなく文化的な内容の表現力も向上したということです。
(今回のレビューはv1.5でのプレイを基にしています。)
| 正式タイトル | 明末:ウツロノハネ(WUCHANG: Fallen Feathers) |
|---|---|
| 開発・販売元 | 開発:Leenzee / 販売:505 Games |
| 発売日 | Steam版:2025年7月23日 / PS5版:2025年7月24日 |
| 対応プラットフォーム | PC(Steam・Epic Games Store・Microsoft Store)、PlayStation 5、Xbox Series X|S |
| ジャンル | ソウルライクアクションRPG |
| CERO | Z(18才以上対象) |
| 価格(税込) | 通常版:7,260円 / デラックスエディション:8,250円 |
PC / Steam評価・配信状況
Steam版のユーザー評価は、発売直後から現在にかけて大きく変化しています。
全期間の評価は「賛否両論」で、数万件のレビューのうち約6割弱が好評です。
一方、最近のレビューでは「非常に好評」と評価が上昇しており、直近のレビューの8割以上が好評となっています。
これは、発売当初に指摘されていた最適化やバランスの問題が、パッチ更新で改善されたことを反映していると見られます。
評価グラフを見ると、発売直後はネガティブレビューが目立ちますが、時間が経つにつれてポジティブ評価が増え、現在は右肩上がりの傾向です。
初期の不満点がかなり解消されている印象で、最近のレビューでは「パッチで快適になった」「ボス戦がやりがいある」といった声が目立ちます。
物語と世界観:羽化する古蜀の闇に、記憶を失った女侠が立ち向かう
物語の舞台は、明代末期の古蜀(こしょく)と呼ばれる地域です。 戦乱が絶えないこの時代に、人々を忌まわしい怪物へと変貌させる謎の疫病「羽化病」が蔓延しているとされています。 羽化病にかかった者は体に羽が生え、やがて理性を失い、人喰いの怪物へと変貌していく――という設定で、中国の歴史とダークファンタジーが融合した世界観が特徴です。
主人公は「無常(むじょう)」と呼ばれる、記憶を失った女侠です。 彼女はなぜ羽化病が広がっているのか、自分が何者なのかを知るために、古蜀の地を旅していきます。 彼女は「羽化病」の力を自らも駆使しながら、この地に潜む真実を突き止めようとします。
無常は「正義のヒロイン」というより、過去の罪や葛藤を抱えた、少し影のある主人公として描かれています。 物語のトーンは、全体的に暗く重めで、歴史の闇と神話的な要素が混ざり合っています。 廃墟と化した寺院、呪われた村、闇に沈んだ遺跡といったステージが次々と現れ、そこに残された手紙や古文書を集めることで、世界の背景や登場人物の過去が少しずつ明らかになっていきます。 中国神話や明代の文化に興味がある人ほど、細かい設定や台詞のニュアンスを楽しめると思います。
サブキャラクターにもバリエーションがあり、例えば羽化病に苦しむ村人や、独自の信仰を持つ僧侶、戦乱に翻弄される兵士たちが登場します。 彼らとの会話やサブクエストを通じて、無常の過去や羽化病の起源に近づいていくことができます。 公式のキャッチコピーには「この地に潜む真実を突き止めよう」とあり、物語は単純な勧善懲悪ではなく、善悪が曖昧な状況の中で主人公が選択を迫られる展開も多く、プレイヤーの解釈によって印象が変わるタイプのストーリーです。
物語全体の印象としては、歴史ファンタジー好きはかなり引き込まれる内容かもしれませんが、中国史や神話に馴染みがないと、用語や背景が少し難しく感じると思います。 個人的には、サブクエストで語られる小さなエピソードが味わい深く、メインストーリー以上に心に残る場面もありました。 Steamレビューでも「ストーリーは重厚で好き」「中国史が好きなら楽しめる」といった声が多く、物語重視のプレイヤーにも好評な傾向が見られます。
ゲームシステムの特徴とプレイフィール:須羽システムで羽ばたく、スピード感あるソウルライク戦闘
カメラ視点はTPS寄りの三人称視点です。 基本操作は、移動・回避・攻撃・防御・スキル発動で、コントローラーでもキーボードでも直感的に扱えます。 戦闘の核となるのは、近接攻撃・法術・スキルをシームレスに繋げるコンボシステムと、本作独自の「須羽(すわ)システム」です。 敵の攻撃をジャスト回避したり、特定のコンボを決めたりすると「須羽ゲージ」が溜まり、強化されたスキルや法術を発動できる仕組みです。
ジャスト回避のサポートに、回避法術や回避スキルが用意されています。これを使えば、比較的楽に敵の連撃を避けることができます。この回避スキルは雑魚に囲まれたときにも非常に有効です。
武器は片手剣、長刀、、双刀、斧、長槍の5種で、それぞれに固有のモーションと派生技があります。 さらに「斗転星羽(とてんせいわ)」と呼ばれる育成システムで、スキルポイントを振り分けて能力を強化し、強力な技を解放していきます。 スキルは自由にリセットでき、プレイスタイルに応じて、カウンター型、法術特化型など、自分の戦術に合わせて育てられる自由度が魅力です。
全体の進行は、ソウルライクらしくチェックポイント(篝火のような場所)を起点にエリアを探索し、ボスを倒して先へ進むよくある作りです。
Steamレビューを見ると、「戦闘は爽快だけど、発売当初は操作性がもたついていた」「パッチでかなり改善された」といった声が多く見られました。 v1.5時点では、それほど操作性に大きな不満は感じませんでした。
ゲームの難易度
公式にも「ソウルライクアクションRPG」と明記されている通り、基本は中〜上級者向けの難易度です。 敵の攻撃パターンを覚え、回避や防御のタイミングをしっかり取らないと、雑魚戦でも簡単にやられてしまいます。 ボス戦は、独自の攻撃パターン・ギミックが特徴で、何度も挑戦して攻略法を模索するのが基本の楽しみ方です。 アクションゲームに慣れている人なら「ソウルライク作品としては並」程度の難易度ですが、完全な初心者には少し厳しいかもしれません。
Steamレビューでも「ソウルライク経験者なら楽しめる」「アクション苦手な人は覚悟が必要」といったコメントが目立ちます。 ただし、パッチで敵のダメージや体力が調整されたようで、発売当初よりは難易度が下がっていると思われます。 総合すると、「中級者向け〜上級者向け」の難易度で、アクション好きにはやりがいのあるバランスと言えます。
良かった点・気になった点
- 須羽システムによる爽快な戦闘:
敵の攻撃をギリギリで避けて須羽ゲージを溜め、強力な技を炸裂させる流れが非常に気持ちいいです。公式サイトでも「一瞬のタイミング、立ち回りが勝敗を分ける」と説明されており、プレイヤースキルが反映される戦闘になっています。 - 中国明代末期×ダークファンタジーの世界観:
歴史と神話が融合した舞台設定は独特で、廃寺や呪われた村の雰囲気作りが秀逸です。物語やサブクエストを通じて世界の深みが感じられ、世界観好きにはたまらない魅力があります。 - 「心魔」システムによる敗北のペナルティとバフの両立:
敗北するたびに「心魔値」というパラメーターが貯まっていきます。そして、負けすぎると主人公の分身が敵として襲ってくるなど、厳しいペナルティがかかります。一方で、その敵を倒すことで強力な報酬が得られたり、心魔値が貯まっている状態のみ使えるスキルがあったりとメリットもあり、どの状態がいいかをある程度プレイヤーが調整できるようになっています。 - 育成の自由度とリプレイ性:
「斗転星羽」システムでスキルを自由に振り分け、武器・法術・装飾品の組み合わせで多彩なビルドが組めます。別の武器やスタイルで再プレイする楽しさがあり、リプレイ性は高いと思います。
- 発売直後の最適化・操作性の問題:
公式も最適化不足などを謝罪しており、初期バージョンではフレームレートの不安定さや操作の重さが指摘されていました。現在のバージョンでは概ね改善されているようです。 - 中国史・神話の知識がないと理解しづらい部分:
物語や用語が中国史・神話由来のものが多く、背景知識がないと台詞や設定が少し難しく感じる場面があります。世界観に没入したい人には良いですが、軽く楽しみたい人にはハードルが高いかもしれません。 - 敵の攻撃パターンが似通っている場面がある:
序盤〜中盤にかけて、敵の種類は多いものの、攻撃パターンが似通っている場面があり、「またこのパターンか」とマンネリに感じることもあります。ボス戦は個性的ですが、雑魚戦のバリエーションをもう少し増やしてほしい、というのが個人的な印象です。 - マルチプレイ要素がなく、ソロプレイ専用:
公式発表ではソロプレイ専用のソウルライクRPGとして位置づけられており、協力プレイや対戦などのマルチ要素はありません。 仲間と一緒に遊びたい人や、オンライン要素を期待する人には物足りなく感じる可能性があります。
価格とボリューム
定価は通常版7,260円、デラックスエディション8,250円で、フルプライスのソウルライクRPGとしては標準的な価格帯です。PS5版はデラックスエディションがセール時5,775円になることもあり、セールを狙えば買いやすい価格になります。Steamでも季節セールで割引されることが多いです。
プレイ時間は、メインストーリーをクリアするだけで30時間ほど、サブクエストやボス周回、別ビルドでの再プレイをすると40時間以上遊べるボリュームです。 やり込み要素としては、エンディング分岐、全武器の試用、隠しボスなどがあり、コアなプレイヤーには十分な内容です。 価格に対する満足度は、「ソウルライク好きで、世界観にハマる人」には十分に見合うボリュームだと思います。
こんな人におすすめ
- ソウルライクやアクションRPGが好きな人。
ー 須羽システムを活かしたスピーディな戦闘と、やりがいのあるボス戦が楽しめます。 - 中国史や神話、ダークファンタジー世界観が好きな人。
ー 明代末期の古蜀を舞台にした独特の世界観と、重厚な物語が魅力です。 - 育成やビルド構築が好きな人。
ー 「斗転星羽」システムで多彩なビルドが組め、リプレイ性が高いです。 - 女性主人公のゲームが好きな人。
ー 豊富な装備品と、外見だけ変える重ね着機能があります。
逆に、アクションゲームが苦手な初心者や、軽くサクッと遊びたい人には、難易度と世界観の重さから少しハードルが高いかもしれません。
発売直後の最適化や操作性の問題はありましたが、パッチで大きく改善され、現在は「ソウルライクアクションRPG」として十分に楽しめる状態になっています。須羽システムによる戦闘、独特な中国ファンタジー世界観、印象的なボス戦、自由度の高い育成システムが強みで、ソウルライク好きにはおすすめできる一本です。一方、ゲーム内の用語が理解しづらい部分や、道中の難しさなど、初心者には厳しい面も残っています。総合的に見て、「中級者〜上級者向けの、世界観と戦闘にこだわったソウルライクRPG」と言えます。
投稿者プロフィール
- RPG、アクションからノベルゲームまで、気になるものは何でも手を出す雑食ゲーマー。エルデンリング、仁王など死にゲー大好きです。でも得意ではないのです。いつかは華麗なプレイができるようになりたいなぁ。
